『壊胎』は日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当は東西。
「訳アリと言わんばかりの女と、頭の軽そうな男。そして私。......共通項は、なんだ?」TRPGシナリオでは異例の2.5万部超え!大ヒットシリーズ1作目が待望のノベル化。むつーの壊胎、新たなストーリーがここに。――鼓膜がとらえたその音は、確かな重量を持つ何かの足音のように思えた。少なくとも人が発する音ではない。極度の緊張。逸る心拍がやたらと脳に響く。しかし五月蠅いのは脳内だけで、この静寂な空間には隣の部屋の音が鮮明に聞こえてきた。「ギダギド・デダデラバ」「......ゴドジョクダ・ガロバイミ・ ゴズグダク・ジャメムバダ」心底気持ちが悪かった。いっそ船酔いのせいだと思いたかった。狂っている。――この世界は、吐き気がするほど理不尽だ。