『愛より深く』はローリー・フォスターによる小説(ライトノベル)作品。「ハーレクイン文庫」(ハーパーコリンズ・ジャパン)から発売。
とある高貴な男を誘惑するよう命じられた、奴隷のアデル。教育係となったのは、苛烈なまなざしを持つ、ひどく寡黙な男。愛しているわけではない、愛されているわけでもない。わかっているのに、彼の愛撫は情熱的で、アデルはその快楽に処女の身体のまま溺れていく。「かわいいやつだ、愛しいアデル」偽りの微笑み、偽りの言葉。なにより彼は決して最後まで抱くことはない。それでもアデルは予感していた。もう、この男からは逃れられないのだと...。
父親に捨てられ、性に奔放だった母親が病気で亡くなって以来、チャーリーは、心に深い痛手を負っていた。妹を養うため、場末のバーで身を粉にして生活費を稼ぐ日々。誰にも心を許さず、男性を避けるように生きてきたが、たったひとりで生きることに、本当は虚しさが募っていた。ある夜、謎めいた男ハリーが、バーに現れる。今まで見た中で、一番背が高く逞しいが、彼の優雅なまなざしに見つめられると、チャーリーの心は解け、つい身を委ねてしまうのだった。さらに、心の傷をえぐられることになろうとは知らずに。