『総理にされた男』(そうりにされたおとこ)は、中山七里のポリティカル・エンターテインメント小説。
劇団に所属する加納慎策は、いつものように公演を終えたある日、2人の男に無理矢理車に押し込まれ、首相官邸に連れていかれる。加納はそこで、内閣官房長官の樽見政純から、世間には伏せられているものの実は蜂窩織炎に罹り意識不明状態にある総理大臣・真垣統一郎の替え玉になってほしいと打診される。元々顔や声質が瓜二つで真垣の物真似を得意としていた慎策は、国民全員を相手にした大芝居も悪くないと考え、報酬や俳優としてのデビューを引き換えにその提案を受け入れる。しかし政治的知識に乏しかったため、党三役との初の顔合わせはうまく乗り切ったもののやはり深い議論になるとついて行けず、相談役兼教育係として大学准教授を務める旧友の風間歴彦をつけてもらう。