鋼馬章伝

『鋼馬章伝』(ドルーしょうでん)は、安彦良和のファンタジー小説。表紙画、口絵、本文挿絵も安彦自身が描いている。1988年よりカドカワノベルズ(角川書店)として全5巻が出版され、2002年に徳間デュアル文庫(徳間書店)から文庫版として再版された。

17歳のスークは貧しい馬丁だった。鋼馬(ドルー)と呼ばれる機械馬の手入れに明け暮れていた。馬丁仲間のさそいに乗って泥棒の手伝いをし、たまたまスークは盗んだ大金を独り占めすることになった。その金でスークは夢にまで見ていた自分の持ち馬を手に入れる。片耳の古馬で名前をヴァロと付けた。ツァロという小村で、スークとヴァロの活躍により山賊を蹴散らした。これを機に村長の娘フィオと愛が芽生え婚姻の段を迎える。しかし、以前の仲間がたまたま村を訪れ、盗みが露見しそうになるのを恐れてスークは秘かに村を出る。それからベーメという馬買い商人に会う。聞けばベーメは馬市でヴァロを競り合った相手である。奇遇にも二人を結びつけた。だがベーメの隊商は盗賊団に襲われてしまいスークは捕虜となる。賊は名だたる女首領エルロラの率いる義賊団(アスラート)を名乗る一団だった。荒くれ者たちとの争闘、領主軍との激しい戦い。幾度か生死の危難を乗り越えスークは日々逞しく成長し、エルロラとの間にも不思議な信愛の念が生まれる。やがて義賊団は追討を受けて散り散りになる。スークは別途、帝国の都ブハラを目指す。退廃の都ブハラでスークは闘騎士(ドルーク)として名をあげる。無情な闘技、ベーメとの再会、そして仲間の死・・・。帝国軍に捕縛されたエルロラが護送されて来る。スークはすぐさま救出を決意する。ベーメが策を廻し、ボナベフ皇帝の臨席する闘場で計画は決行された。三人は都を脱出する。折しも、土岐は闇の一年に向う炎のような日没の季節。「・・・何時かまた、もっと立派な男になったお前と会いたい」街道での別れの際にエルロラはスークに言った。

愛する人々を戦いの中で失い、世俗に背を向けていたスーク。だが乱世の激動は彼を再び戦いの渦に巻き込んでいく。ボナベナ帝国皇帝の退位を機に、帝国を二分する大決戦が始まったのだ。武将アシャワンの要請を受けたスークは鋼馬軍団を指揮、愛馬『ヴァロ』とともに戦場へと赴く。戦乱の中、再会を果たした少女フィオとの愛の行方は?数奇な運命に翻弄され続けてきたスークの旅の終わりとは...。安彦良和が描く異世界ファンタジー、感動のシリーズ最終章。巻末に外伝を初めて単行本に収録した完全版。

 ▼ 情報(Information)
著者安彦良和
イラスト安彦良和
出版徳間書店
レーベル徳間デュアル文庫
ISBN(1巻)9784199051265
ISBN(5巻)9784199051425
最新刊5巻
 ▼ 言語(Language)
Japanesedoru^shouden
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