『ケータイをヤバい男に拾われて』は吉村達也による日本の小説(ライトノベル)作品。「双葉文庫」(双葉社)から発売。
“むかーしむかし、ケータイにロックをかけない時代がありました......”。写真撮れる、録音できる、メール、おさいふケータイ付き――とガラケーに現在と共通の便利機能があらかた備わった2000年代後半。なのに危機意識はまだ低く、今思えば大変に危険な状態でありました。そして、ここに考え得る限り最悪な事態に陥った一人の女性が......。新宿のデパートの企画開発部で活躍する野本尚美は、ある日公園のベンチにケータイを置き忘れた。気づいて戻ったときにはもうなかった......。まずい。ケータイには不倫相手の上司との赤裸々なメール、頼まれて渋々撮った裸の写真が保存されている。いい人に拾われていることを願うしかなかったが、さにあらず。拾い主は、ストーカー行為で会社をクビになってホームレス状態のやぶれかぶれ男! 妙に悪知恵が働く男に様々な個人情報を知られてしまい、どんどん接近されて......自分だったら、と震えざるを得ない「日常の恐怖」がここに! 『かげろう日記』で再発見された“吉村ホラーサスペンス”の真骨頂! これは、令和に生きるあなたも読んでおくべき一冊です。(ハルキ文庫『ケータイ紛失!』を改題)