『次元特急ラザフォード』は曽我部浩人による日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はヨシモト。「講談社ラノベ文庫」(講談社)から発売。
『星界』という数多の異世界から成る『大いなる次元』――かつての二つの勢力による破滅的な戦争を乗り越え繁栄を続けている。ある時、星界同士を繋ぐ巨大列車『ラザフォード』に片道1年に亘る作戦指令が降った。目的地は全人類の故郷『起源の地』。シェイクは副官のアルマ、姉で上官ののテティスたちと過酷な旅へ。だが作戦の真の目的は「1年以内に訪れる《大いなる次元の終末》を阻止せよ」という不可能に近いものだった!?『星界(せかい)』と称される異世界の集合体である、『大いなる次元(グレート・ユニバース)』を貫き、恐るべき《虚無》――触れた実体すべてを無に帰す真の《無》――に満ちた空間を渡っていく危険な旅を可能にする巨大列車型移動システム『次元特急』に乗り込んだ主人公・シェイク、そしてメインヒロインのアルマ......行く先々で出会った人々、別れていく人々、それぞれのエピソードが織りなす涙と感動が、人知れず闇を抱えて生きるシェイクの内面を照らし、成長させていくという、ロードノベル的要素、旅行記的要素、そして激しく厳しい戦いを描いていく、ライトノベル黎明期にはこういう作品があったのでは......そんな気持ちを起こさせる作品です。