『やみ窓』(やみまど)は、篠たまきによる日本のホラー小説。連作短編集。
柚子は、私鉄の小さな駅からバスで20分の古い団地の3階に1人で住んでいる。夜にいっときだけ、柚子の住む部屋の腰高窓の外に異界が広がることがある。黒々とした闇が広がり、巨大な雑木がみっしりと生い茂り、窓のすぐ下に道が伸びるのだ。そして、闇の中から得体のしれない者たちが現れると、柚子は彼らと〈取り引き〉を行う。来訪者が持ってくる品物は様々で、その夜は〈熊の肝〉だった。柚子が代価として渡すのは、ペットボトルである。柚子は独身で、昼間は週3、4日のアルバイトをしている。次の日の夜に来訪者が持ってきたのは、薬草だった。