『異世界居酒屋「げん」』は原作:蝉川夏哉、作画:碓井ツカサによる日本の漫画作品。『異世界居酒屋「のぶ」』のスピンアウトコミックとして、『このマンガがすごい!WEB』(宝島社)にて2018年3月より連載中。2022年4月には、ノベライズ版である『小説 異世界居酒屋「げん」』も発売された。
関東のとある街で居酒屋を営む葦村(よしむら)草平。彼の家には代々「葦村の呪い」という言い伝えがあり、先祖と狐の間に何かしらの因縁があったために、葦村家の男性は全員が齢60前後で亡くなっていた[注釈 1]。草平は自分がその年齢になったことから、一度は店を畳もうと考えた。しかし、ある日突然魔法のように店の入口が異世界へとつながってしまい、異世界の住人たちが徐々に店に訪れるようになる。言葉が通じるからいいかとおもい、見知らぬ世界で店をやるのも面白そうだと考えなおしたことから、草平は店を再開することを決意する。店の入口がつながった先は、東王国オイリアの王都ラ・パリシィア。異世界の大陸における屈指の大都会だった。一方、父親が閉店するとの知らせを聞いた長女のひなたは、大学の先輩で恋人の榊原(さかきばら)正太郎を連れて店に駆けつける。しかしそこには、外国人(ひなたには異世界人がそう見えた)の客を迎えて今まで通りに店に立つ父親の姿があった。ひなたは、父が店を仕舞うのであれば、自分で店を持ちたいと考えている正太郎に店を譲ってほしいと、頼みに来たのだった。それをきっかけとして正太郎が店を手伝うこととなり、居酒屋「げん」の異世界での営業が始まった。