『サクチシノニエ 異端の儀式』は中西 鼎による日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はしおん。「ガガガ文庫」(小学館)から発売。
ようこそ、血と肉片にまみれた佐口澌村へ 川上縫は、毎晩のようにある少女の夢を見る。 現実では会ったことのない、その少女の名前は「芽璃」といったーー 高校生にして天涯孤独の身となった縫は、生前の父の友人が営む児童養護施設に入るため茨城県の佐口澌村にやって来る。 縫は同い年の女子高生・水谷緒途を始めとした、五人の子供たちとの同居生活を始め、次第に新しい生活に慣れていく。 そんなある日、縫は村人たちが古くから信仰している神、「サクチシサマ」を祀る神社へ行く。そこで彼は、何度も夢で見た少女「芽璃」と出会う。 夢が浸食してきたかのような現実に当惑する縫に、芽璃はかつて佐口澌村で起きた事件について語る。 実は佐口澌村では、これまでに三件の怪死事件が起きていた。 第一の事件は四つの溺死体が蝋化し、"連結"されて発見されたというもので、第二、第三の事件は、それよりも凄惨でおぞましいものだった。 そしてこの残酷な事件は、今年も起きるのだと芽璃は予言した。 芽璃と出会った日から、縫の日常は狂気に呑み込まれていくーー 連続怪死事件、宗教、夢、縫自身の失われた記憶が複雑な繋がりを見せ始めた頃、村の神、サクチシサマを祀る土着的な儀式が始まった。