『偉大なる、しゅららぼん』(いだいなる しゅららぼん、英題:The Great Shu Ra Ra Boom) は、日本の作家・万城目学の小説。『小説すばる』2010年5月号から2011年4月号まで連載され、同年4月に刊行された。パワースポットである滋賀県の琵琶湖を舞台に、「湖の民」としての力を持った一族同士の対決の末、未曾有の災害に立ち向かう物語。作者はこの作品で「上手くなると、どうしても乱暴な側面がどんどん消えていってしまい、それが何となくよくない」と考え、デビュー時の作風に立ち返り、「文章にしても構成にしてもちょっと荒っぽく、そんなにきちきち決めずにやってみよう」という思いで書かれた作品となっている。
滋賀県湖西地方に住んでいた日出涼介は、「湖の民」としての力を与えられた者として修行をするため、湖東地方にある城下町石走にある石走高校に入学、日出本家で過ごすことになった。日出本家の跡継ぎで変わり者の淡十郎と同じ赤い制服を着させられ、本丸御殿から源治郎の舟で学校に通い、白馬を乗り回す清子に振り回される。さらに同じクラスの棗広海には入学初日に突然殴りつけられる。日出家と棗家は琵琶湖のご神水によって特殊な「力」をもつ一族、1000年にもわたり、琵琶湖を舞台にいがみあっていた因縁の関係だったのだ。