『トカゲの王』(トカゲのおう)は、入間人間による日本のライトノベル。イラストはブリキが担当している。電撃文庫(アスキー・メディアワークス)より2011年7月から刊行されている。
俺は超能力者だ。常識から一歩はみ出した異端者であり、俺の両目に宿った力と、それを持つ俺自身には「世界を塗り替える」資格がある。俺はそう信じている。……まぁ、実際のところこの両目は色が変わるだけで何の意味も無いんだけど。家に帰りたくないのはお決まり家庭の事情ってやつで、だから今日も俺はこの廃ビルで「能力開発」に勤しんでいた。この両目に秘められた眠れる力が覚醒することを願って。なのに。そこには死にかけで指がない男とか、露出過多な同級生とか、業界最強の殺し屋とか、空中ジャンプできる男とか、とにかくそんな連中がわらわら群がってきやがった。俺が憧れていたのはこんな世界だったっけ――――?
「俺は正しいことをやっている」その確信と同意を得られないまま、引き返せない道を進む少年、五十川石竜子。少年は正当性を得るため、『始祖の血』を持つ者との接触を図ろうと動き出す。「私は正しいことをやっている」そのつもりで生き続けてきた殺し屋、ナメクジに開花する、新たなる力と『呪い』。力に引き寄せられて生まれる出会いがもたらすものに、彼女は尚も翻弄される。そんな二人の行き先が交差した場所に、待ち受けるのは姉妹。元AV女優の姉と、友人A、であったはずの妹。訳あり姉妹は縁ある二人に問いかける。「あなたはなにをやっているんですか?」