『煉獄姫』(れんごくひめ)は、藤原祐による日本のライトノベル。イラストはkaya8が担当。2010年8月から2013年1月にかけて電撃文庫より刊行された。作者初のファンタジー小説で、同じく電撃文庫より刊行されている小説「@HOME」と同時進行で執筆された。なお作品中には暴力的な表現、グロテスクな表現、残虐な表現が含まれる。
現世と、現世より一つ下の階層に存在する別世界『煉獄』とを繋ぐ「扉」から漏れ出す毒素を練り上げる業「煉術」により発展してきた瑩国。瑩国非公式王女アルテミシアとその従者フォグは、煉術を自在に操る煉術師として、瑩国を揺るがさんとする敵に立ち向かうため、国王より密命を受け陰謀と策略が渦巻く都市「匍都(ハイト)」に繰り出すのであった。
完全なる存在となったユヴィオールは城の玉座にあって、瑩国をその手に掴むべく動き始めた。幽閉されたアルトが恐怖に耐えながら助けを待つ中、すべてを喪ったフォグはキリエの介抱によって目覚める。反抗の術はない。それでもアルトだけは取り戻さなければならない。絶望的な状況にあって決死の覚悟で城へ突入しようとしたふたりに、ひと筋のか細い糸が垂らされる。カルブルックに誘われ、向かうのはレキュリィの屋敷。『ローレンの雛』たちはそこで己の運命を見、そして-。毒気に彩られた薄闇の幻想物語、ここに終幕。