『イベリコ豚を買いに』は野地秩嘉による日本の小説(ライトノベル)作品。「小学館文庫」(小学館)から発売。
プロローグ第1章 見てきた人に会う これが本物だ/口蹄疫第2章 さまざまなハードル 世界中に500種/北海道での見学/いちばん高い豚/ある決断第3章 イベリコ豚との対面 まだまだ時間はかかる/レヒーノ一族/ママはこれだ/先祖はイノシシ/ どんぐりを食べない豚/レストランで/スペイン人の食第4章 生ハムとは何かデラサの加工場/ギフエロ生ハム村/バラみたいな色/檀一雄の「美味放浪記」/ 2005年から2006年/プラド美術館で/砂に埋もれる犬第5章 新たな3つの仕事 吉岡レポート/マーケットに出ない肉/民事再生/デリバティブの罠第6章 サバイバル精肉店 肉よりも惣菜/衝撃/オリーブオイル/わたしが売ります第7章 ポークマーチャントへの道 豚肉商人となる/安比高原でベーコンを試作/伝説の料理人/スペインからのサンプル/これは特別においしい/チェコ風ハムはどうか/銀座のレシピ第8章 プロと素人 マルディグラ謹製/この人に頼みたい第9章 新製品完成 2種類の試作品/税関/スティーブ・ジョブズのインタビュー/申し訳ない/豚肉のカロリー/いつ売るのか/漬け込み時間/ステーキとハムサンド/歩留まり68パーセント/食は文化/クリスマスイブ第10章 5度目のスペイン渡航 レヒーノの放牧場/ポルトガルまでの森/屋敷/ローマ時代からの製法/乾杯エピローグあとがきに代えて
謎だらけのイベリコ豚を追ってスペインへ! 「本当にどんぐりを食べているのか?」「イベリコという町はどこにあるのか?」「安売りセール肉は本物か?」......。レストラン、スペインバルはもとより、今やコンビニ、回転寿司でもごく普通に売っているイベリコ豚。高級食材として知られているはずのものが、いまや日本全国で手に入るのはなぜか?そもそも、イベリコ豚はそんなに沢山いるのだろうか?著者はそんな素朴な疑問をいだき、取材を始めた。日本人が知らないイベリコ豚の「真実」を明らかにすべくスペインを目指した著者。幾多の困難を乗り越え、現地に辿り着いた著者を待っていたのは、驚きの連続だった。......。ローマ時代の遙か昔からスペインで幻の豚を守り育ててきた熱き男たち。そして素晴らしい生ハム作りに命を捧げる職人たちとその家族のドラマを紡ぎながら、知られざるイベリコ豚の生態、そして食肉流通事情を解き明かしていく。さらになりゆきでハム作りにも携わることになり......。多様なジャンルをテーマに、多くの傑作ノンフィクションを世に出してきた著者がスペインと日本を舞台に描く、読み応えのある食ノンフィクション。単行本時にメディア各社で大絶賛された作品がついに文庫化!