『ムーミン谷の夏まつり』はトーベ・ヤンソンによる小説(ライトノベル)作品。
ジャスミンの香りにつつまれた6月の美しい午後、火山の噴火がムーミン谷をおそいます。 洪水がおしよせてきて、ムーミン一家は、流れてきた大きなおかしな家に移り住むことに。 なんとそれは、 ”劇場”でした! 舞台監督フィリフヨンカの妻、エンマにおそわりながら、劇を知らないムーミン一家は、自分たちで芝居をやってみることに。 ムーミントロールやスノークのおじょうさんが逮捕されたり、ちびのミイと24人の子どもたちがスナフキンにひろわれたり。 さあ、手にあせにぎる夏至の大冒険がはじまりますーー! 『ムーミン谷の夏まつり(原題 FARLIG MIDSOMMAR)』は1954年に発表された作品で、原題は「おそろしい夏まつり」という意味です。発表された順番だと4番めのムーミンのお話になります。 ながく愛読されてきた児童向けのハードカバー版「ムーミン童話集」(1990年初版 全9巻)の改訂版「ムーミン全集[新版]」が2019年に刊行されました。「しあげの練習」を「リハーサル」、「頭のまげ」を「結った髪」、「うす絹」を「チュール」にするなど、いまの言葉にあわせた、より読みやすいムーミンの物語になりました。 講談社文庫では、1978年からムーミンの物語をご紹介してきました。本書は、2025年小説ムーミン誕生80周年記念として、2019年の改訂版のテキストにあらためた[新版]です。トーベの手になる68点もの挿絵とともに、ムーミンの物語をお楽しみください。 《収録》 解説……下村隆一 ムーミン谷の魅力 4『ムーミン谷の夏まつり』この世は舞台、ひとはみな役者……冨原 眞弓 *この本は『ムーミン全集[新版]4 ムーミン谷の夏まつり』(2019年講談社刊)の文字づかい等を改めたものです。 *中学生以上漢字にふりがな 1章 木の皮の船と火を吹く山と 2章 朝ごはんを探しにもぐる 3章 ばけものやしきに住みつく 4章 みえっぱりということ、 そして木の上で寝るのは、危険であること 5章 劇場で口笛を吹くと、どうなるか 6章 公園番へのかたきうち 7章 おそろしい夏まつり前夜 8章 劇の作り方 9章 かわいそうなパパ 10章 劇のリハーサル 11章 ろうや番をだます 12章 手にあせにぎる初演 13章 罰とほうび