『それでも必死に、恋をしていた』は此見えこによる日本の小説(ライトノベル)作品。
どうしようもなく子どもで、 不器用で、 がむしゃらで。 それでも必死に、恋をしていた。 ある同じ高校の生徒たちの切ない想いが複雑に交錯する、 1 話 6 ページ、全 25話収録の超短編恋愛ストーリー集。 想いはあふれているのに、いつも届かない。たとえ叶わなくても、届けたい。この恋が終わる前に。 <STORY 001> 君の好きなひと ーーバレンタインの日の放課後、清水はさりげなく八木郁美と彼女の意中の男子、菅原との二人きりの時間を演出する。八木のことを好きな清水は、八木の願いを叶えてあげたかった。そして、彼女に目を覚まして欲しかった。いかに菅原が軽薄で、いつも女の子を傷つけているような男であるということを。期待に胸を膨らませながら、清水は弾む足取りで家路を歩く。「きっと近いうちに届くだろう、彼女からの幸せな報告が待ち遠しかった。その先に待つ、彼女の泣き顔も」--。 <STORY 002>私の好きなひと ーー「じゃあさ、付き合おっか」。私の唐突で拙い告白に、少しも迷うことなく菅原くんはそう言った。驚きも動揺も歓喜も、そこにはなかった。ただ慣れたような、ひどく優しい口調だった。わかっていた。私が告白すれば、彼がそう返してくれること。ずっと見てきたから知っていた。彼が私のことなんて、べつに好きでもなんでもないことも。「だから、せめて。最後は笑って感謝を伝えてお別れしようと、私は始まりの日に、それだけ決めた」--。 <カバーイラスト> うた坊さん <挿絵イラスト> エリンギ味噌さん