『X-01 エックスゼロワン』はあさの あつこによる日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当は田中 達之。「YA!ENTERTAINMENT」(講談社)から発売。最新刊は3巻
N県稗南(ひなん)郡稗南町。由宇(ゆう)の15歳の誕生日の前日、大好きな父親が「X-01(エックスゼロワン)」と言い残して急死した。そして黒づくめの男たちが、「X-01」を求めて、町を破壊しにやってきた!? 「X-01」とは、いったい......なに? 一方、ラタの住む小国、永依(えい)の国は滅亡の危機を迎えていた。隻眼(せきがん)の将軍に拾われたラタは戦士としての血の道を歩み始める。運命に翻弄される由宇とラタ、2人の魂の物語。
中原の小国「永依(えい)」は、火国、渤国の二大国に挟まれ、滅亡の危機を迎えていた。ラタは、身分の低い両親と三人きょうだいの長女として生まれるが、父親の死後、永依のクシカ将軍の養子となった。ラタの初陣は、十二歳で迎えた勃国との戦い。その戦いぶりは「破壊神」の名にふさわしいものだった。 一方、N県稗南(ひなん)郡稗南町には由宇(ゆう)という少女がいた。十五歳の誕生日の前日、大好きな父親が「らた」「X-01(エックスゼロワン)」と言い残して急死する。そして、黒づくめの男たちが稗南町を急襲し、破壊した。由宇は、敵から逃れる途中で、母親から「X-01は人間が創り出した最も大きく、激しい恐怖」と教えられる。なぜ突然、襲われたのか? 父の死は関係があるのか? 由宇は、殺されてしまうのか? 運命に翻弄されるラタと由宇。2人の行く手に待っているのは?目次より――1 地獄の底から2 天空からの光は3 生と死の交差する場所4 鬼神の宴「第1章 地獄の底から」より―― 草原は兵に埋め尽くされていた。 敵の、だ。 敵、火国の軍旗がはためく。 火を噴く獅子の紋章は、風に揺れ、獅子そのものが猛り狂っているように見える。旗音は西から東に吹き過ぎる風に乗って、永依国の陣まではっきりと届いてきた。 まさに、咆哮だ。 圧倒される。 永依の兵士たちは、血の気の無い顔で押し黙り、身を縮めていた。犲虎が自分たちを食い千切り、餌食にしようと狙っている。口にこそしなかったが、あるいはできなかったが、自分たちを兎のごとく感じ、おびえ竦んでいたのだ。「不味いな」 リャクランが干し肉をかじりながら、呟いた。「ちょいと不味いぞ、ラタ」「どっちがだ」「うん?」「干し肉か戦況か、不味いのはどっちだ」 リャクランが肩を竦める。口の中の肉を飲み下す。「こういう状況で冗談が言えるとは、さすがに『漆黒の鬼神』だけのことはあるな」 ラタとリャクラン。 永依国の武将と軍師であり、十歳に満たないころからずっと、寝食を共にしてきた間柄だ。 友ではない。仲間でもない。むろん、恋人でも愛人でもなかった。(以下、本編にて)
▼ 情報(Information) |
著者 | : | あさの あつこ | イラスト | : | 田中 達之 | 出版 | : | 講談社 | レーベル | : | YA!ENTERTAINMENT | 刊行期間 | : | 2016年09月27日(1巻発売) | ISBN(1巻) | : | 9784062695121 | ISBN(3巻) | : | 9784062695121 | 最新刊 | : | 3巻 |
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▼ 言語(Language) |
Japanese | : | X-01 ekkusuzerowan |
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