『路地裏に怪物はもういない』は今慈ムジナによる日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はやまかわ。「ガガガ文庫」(小学館)から発売。
平成最後の夏、最後の幻想がはじまる 一つの時代が終わろうとしている。 高度に発達した文明社会は路地裏の暗闇さえも駆逐し、この世界に幻想の居場所はなくなった。かつて人々が怖れた怪異は、誰しもがネットで正体不明を暴けるものとなった。そんな幻想の余地がなくなった現代社会で、十代の少年少女を中心に不可思議な現象が起きる。 ――乖異。 己が妄執こそが真の現実だと主張する、突如顕れた新たな病魔。現実から乖離し、現実とは異なる理で世界をねじ曲げる現象。乖異によって引き起こされるは、「死者のいない」猟奇事件。導かれるように集ったのは、過去に囚われた三人。 絶えた怪異を殺す少女・神座椿姫。 空想を終わらせる男・左右流。 そして、世界に残された最後の幻想である少年・夏野幽。 一連の事件に「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異とかかわっていくことになる......。 終わる平成。最後の夏。最後の幻想。 旧時代と新時代の狭間に問う、新感覚伝奇小説 がここに。 【編集担当からのおすすめ情報】 著者・今慈ムジナはデビュー作である現代怪異譚『ふあゆ』で、第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞と、第3回フロントライン大賞・大賞を受賞。ゼロ年代を愛した全ての読者に問う、平成最後の都市伝奇小説!