『ふあゆ』は今慈ムジナによる日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はしづ。「ガガガ文庫」(小学館)から発売。
本当の自分を探す、新時代の黄昏怪異譚。 心因性相貌誤認症――他人の顔を誤認識してしまう病を抱えた少年・龍胆ツクシ。曖昧な世界を生きる彼だが、犬頭の祖父、ガゼル頭の幼馴染、絵画頭のクラス委員長、貝類頭の後輩に囲まれながら、平和な日々を送っていた。ひょんなことから、ツクシは連続猟奇殺人事件の現場を目撃してしまう。そこに佇んでいたのは、ハシビロコウ頭の怪人。もちろん警察に通報するのだが、彼の証言が信用されるはずがなかった。自身の役立たずぶりを改めて実感しながらも、彼は「自分にできることはなにか」を考え始める。そんなとき、夕焼け色をした怪異の少女が目の前に現れる。ツクシが久しぶりに認識した自分以外の顔は、記憶の中のとある少女と瓜二つのものだった。奇妙に思いつつも、懐かしいその顔に、彼はつい気を許してしまう。「ジブンタチはジブンになりたいのー、なのでジブンを教えてください!」本当の自分を探すという怪異の少女との出会いをきっかけに、彼の世界は徐々に変化していく――。ゲスト審査員に渡 航を迎えた、第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。気鋭のクリエイター・しづがイラストを担当。自我と認識の問題を巡る、新時代の黄昏怪異譚がここに。