『時生』(トキオ)は、日本の作家東野圭吾のSFファンタジー小説。2002年7月に『トキオ』の題名で講談社から単行本が発行された。講談社文庫版が2005年8月に発行された際に改題された。
宮本拓実はろくに働きもしない無頼の若者で、その日暮らしの生活を送っていた。ある日、拓実は花やしきで自らを「トキオ」と名乗る不思議な少年と出会う。身寄りのないトキオのことをなぜか他人のように思えない拓実は、自身の住むアパートにトキオを居候させることになる。拓実には千鶴という恋人がいた。千鶴は実家の貧しさゆえに夢を諦めスナックで働いて生計を立てていたが、拓実は金に困るたび、そんな千鶴に金をたかっていた。それでも千鶴は拓実との将来を夢見て、トキオにも優しく接していた。そんなある日、千鶴が突然姿を消してしまう。部屋の置き手紙には拓実への別れの言葉が残されていたが、一方的な破局に拓実は納得がいかない。やがてイシハラと名乗る不気味な男が千鶴を探している事を知り、彼女が大きな事件に巻き込まれていると感じた拓実は、トキオとともに彼女を探し始める。