『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』は、青木祐子による日本のライトノベル。イラストはあきが担当している。コバルト文庫(集英社)より2005年12月から2013年5月まで刊行された。
1870年代のイギリス、ロンドン郊外の小さな町リーフスタウンヒルにある女性専門ドレス仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』は、少女2人が経営する小さなお店ながらも、恋を叶えるドレスをつくると大評判。店主のクリスは着る人の心のかたちをつかみ、それをドレスに仕立てる。しかし彼女は心をうつすドレスの恐ろしさも知っていた。自分の心をからっぽにし、ドレスを着る人の心だけに向き合おうと努めるクリスだが、ある日青年貴族のシャーロックが彼の妹のドレスを注文しに来て以来、クリスの心に変化が起こる。人の心の闇を引き出すドレスの存在、愛人との恋によって人が変わってしまった母親のこと、そしてシャーロックへの密かな恋。クリスはそれらとの向き合い方に戸惑う。