『平和という名の廃墟』(へいわというなのはいきょ、A Desolation Called Peace)は、アーカディ・マーティーンによる2021年のスペースオペラのサイエンス・フィクション長編小説。本作は、『帝国という名の記憶』の続編であり、マーティーンのテイクスカラアン・シリーズの2作目となる。前作同様にヒューゴー賞 長編小説部門を受賞し、2022年のローカス賞 SF長編部門も受賞した。
『帝国という名の記憶』の数ヶ月後、異星人の勢力がテイクスカラアン帝国の工業コロニーで虐殺を行う。脅威への対処を命じられたテイクスカラアンのナイン・ハイビスカス提督は、情報省の専門家に不可解な敵との交信を試みるよう依頼する。その専門家とは、今や帝国の高官となったスリー・シーグラスであり、ルスエル・ステーションを経由して密かに前線に移動する。そこで彼女は、かつての仲間であり、今も名目上は帝国駐在大使であるマヒート・ドズマーレに同行するように説得する。マヒートはルスエルでの派閥争いによって高まる危険から逃れるチャンスと捉え、ルスエルの指導者の一人から帝国の異星人との戦争を長引かせるために、ファーストコンタクトを妨害するように命じられる。