『さよなら、英雄になった旦那様』は遠雷による日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はとき間。「MFブックス」(KADOKAWA)から発売。
不死魔獣との苛烈な戦場で、聖剣を手にし、聖騎士として覚醒したエリオット。王国の英雄となって帰還した彼が妻フローラに突きつけたのはーー離縁状だった。 「戦場でそばに寄り添い、支え続けてくれた聖女を愛してしまった」 そう告げる夫の言葉に、フローラはただ静かに離縁を受け入れる。安全な王都でただ祈ることしかできなかった自分には、彼の隣に立つ資格などなかったのかもしれないと思って。そうして彼女は王都を去ったのだった。 だが、その日を境にエリオットの聖剣は陰りを見せ始めてーー。 一方、すべてを失ったフローラは、旅の中で一風変わった人々と出会い、自分の居場所を見つけ始める。やがて彼女の祈りは、女神の加護をいただく祝福となり、仲間を護る奇跡となってゆく。 第一章 凱旋と離別 第二章 鍛冶職人の村 第三章 毀れる刃 第四章 旅支度 第五章 武器商人 第六章 隠れ郷 第七章 恥さらしの義勇 第八章 形の無い祈り 第九章 灯る光、伸びる影 第十章 北部掃討作戦 第十一章 王都の斜陽 第十二章 神鳴り 第十三章 歪むもの