『シュピーゲル・シリーズ』は、冲方丁による日本のライトノベルである。『オイレンシュピーゲル』(EULEN SPIEGEL)と『スプライトシュピーゲル』(SPRITE SPIEGEL)と『テスタメントシュピーゲル』の3つの作品にまたがって展開されている。『オイレンシュピーゲル』、『テスタメントシュピーゲル』は角川スニーカー文庫(角川書店)より刊行され、イラストはオイレンシュピーゲルが白亜右月(原案:島田フミカネ)、テスタメントシュピーゲルが島田フミカネ。『スプライトシュピーゲル』は富士見ファンタジア文庫(富士見書房)より刊行され、イラストははいむらきよたかが手がける。
舞台は西暦2016年の国連管理都市ミリオポリス(かつてのウィーン)。極度の少子高齢化と犯罪・テロの増加を背景に児童労働と身体障害児に対するサイボーグ化が認められている。サイバーパンク的な架空の近未来が舞台ではあるが、9・11等の事件や国際問題、差別・貧困・テロリズムなどの現実の社会情勢を豊富に盛り込むことで、現在の世界の先にありえるかもしれない未来社会として描写している。
近未来都市ウィーン-ミリオポリスと呼ばれるその都に、機械化された身体を持ち、治安を司る組織MSSに所属する三人の少女がいた。「やめて、お願い!」鳳/アゲハ。「絶対に守るって...」乙/ツバメ。「みんな死んじゃう!!」雛/ヒビナ。とある戦犯法廷に立つ被告と七人の証人を保護する任に就いた三人だが、運命は、少女たちに未曾有の嵐をもたらす。一人ずつ訪れる死。二人目のリヒャルト・トラクル。己を進化させる禁断の果実。それでも、夢を抱いて嵐を飛び越え、蝶は真実の地平に舞い降りる-。天と地の間に生きる妖精たちの物語。