『密葬-わたしを離さないで-』は江波光則による日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当はくまおり純。「ガガガ文庫」(小学館)から発売。
少年は、もがく。過去と決別するために。 同級生にモップで殴りかかった陵司に1か月の停学処分が下された。陵司は、校内で有名な不良教師・間宮からとある提案を持ちかけられる。「原稿用紙300枚分の文章と引き替えに、停学を無かった事にしてやる。さらに、その文章の内容に関わらず出版もしてやる」不適に笑う間宮は、陵司の「過去」、殺人という枷を知っているように見えた。静かに生きようとする陵司を晒しものにしてやる、という底意地の悪さがにじみ出ていた。一方、陵司が襲った同級生・真琴のことも無視できなくなる。真琴は巷でも有名な強請屋だった。しかし陵司は、金も持たない自分が、なぜ真琴の標的になったのかが分からない。あまりにも的確に、自分を挑発してきた真琴の真意が分からない。どうして八尋の自殺と、陵司の殺人を知っていたのかが、分からない。己の過去を掘り起こそうとする二人の人間に狙われた陵司は、どちらからも逃れるための策を見いだすが......。『鳥葬-まだ人間じゃない-』に続く、江波光則の暗黒青春群像劇第二弾。少年は、もがく。孤立という壁で守ってきた弱い心を葬って......。