『宵を待つ月の物語』は顎木 あくみによる日本の小説(ライトノベル)作品。イラスト担当は左。「富士見L文庫」(KADOKAWA)から発売。
高校生の坂木夜花(よはな)の住む町は、魔を退治する神祇官(かむつかさ)の一族である社城(やしろ)家が絶大な権力を持つ。 両親を亡くし祖母と住む夜花は、夏のある日に遠縁だからと社城家の宴会にかり出される。けれど手伝いの最中、事故で池に落ちてしまう。 騒ぎを聞きつけ現れたのは美貌の社城家の当主候補。彼は「僕の、つがい」と夜花に歩み寄りーー後ろにいた同級生の少女を抱き上げた。 夜花は誰にも顧みられず、濡れ鼠の惨めな姿のまま池の中で呆然とする。 けれど不思議な美しさの少年・千歳が夜花を助け、社城家にある自分の家に匿ってくれた。さらに千歳は夜花が神がかりの力を持つ《まれびと》であると見抜く。 夜花は社城家に保護され千歳を護り手に、術師の仕事の手伝いをすることに……? 「わたしの幸せな結婚」の顎木あくみが贈る、神と人と運命の恋物語。 プロローグ 異境と人境のあわいにて 一章 「宴会なんて、二度とごめんだわ」 二章 「トンネルの怪異ってベタだよね」 三章 「乙女心を弄ばれた。呪い、許すまじ」 四章 「みんな、世話焼くの好きね」 五章 「あんたの行動、この頃からいちいち冷や冷やするんだよ」 六章 「家族でもわかりあえないことはあるよ」 七章 「私たちはきっと同じものを求めてた」 八章 「千歳くんは隠しごとばっかりだから」 エピローグ 終わりの始まりを眺める時 あとがき